世界で大ベストセラーとなった「FUCTFULNESS -ファクトフルネス- 」
私の率直な感想はコロナ感染拡大による影響を受ける今こそ読むべき一冊だと感じました。
今回はファクトフルネスを読んだ感想や魅力を存分にお伝えします!
「FACTFULNESS」ファクトフルネス
2019年に日本でも発行された「FACTFULNESS」
ファクトフルネス を直訳すると事実に基づいて考えること。
初版発行からすぐに大ベストセラーとなり2020年5月現在、なんと70万部を突破する大人気の本です!
著者 ハンス・ロスリング
訳者 上杉 周作 関 美和
【意外と読みやい】ファクトフルネスの魅力
分厚くてなんだか圧倒される…そう思う人も多いかもしれません。(私がそうでした。)
しかし、いい意味で予想を裏切ってくれます!
「数字やデータで見る世界の実際」というと堅苦しいですが、人の温かみを感じる人類の成長を描いたハートフルな本だと思いました。
魅力① すぐに知的好奇心を駆り立てられる
表紙を開いた最初のページに世界地図を模したような図が現れます。
これは縦軸が国の「平均寿命」、横軸が「平均所得」を現しています。
世界一の長寿国はやっぱり日本!さすがです!
では世界一所得が高い国はどこでしょうか?
それは……カタールです!いえい!
…
えっカタールってどこですか?←
アメリカや中国なんかのメジャーな国じゃないの?
…
私は目次にすら辿りつかないこの時点ですでに心を奪われてしまいました。
(ちなみにカタールは中東の国で首都はドーハ!きっとみんな知らないよね?ね?)
魅力② 言葉選びにユーモアがあって面白い
まず、読者は「チンパンジー以下」呼ばわりされます。笑
最初に13問の3択問題を出題されるのですが、その正答率がなんとどれも10%前後!
3択問題ならランダムに選べば当たる確率は33%のはずですよね?そう、チンパンジーでさえ正答率は33%!
そこですかさず「なんだ、君たちよりもチンパンジーの方が賢いじゃないか!」と煽られるんですよ。笑
「おいこら」ってなりますよね笑。てか面白すぎません?笑
もうこの時点でこれが堅苦しい本ではないこと、ご理解頂けたと思います!
魅力③ 専門用語など難しい言葉がない
世界情勢を伝える本って専門用語ばかりで基礎知識がないとわかりづらい本が多いですよね。
難しいはずの内容を誰にでもわかるようなやさしい言葉で表現されているのでとても読みやすかったです。
読書が得意ではないという方にもおすすめの一冊です!
魅力④ 写真やグラフがたくさん!
この本、手にとると気付くと思いますが、まあまあ分厚いです!
Amazonでポチった私は、想定していたサイズ感とのギャップに圧倒されました。笑
途中で挫折するのではと若干の不安を覚えましたが、写真やグラフが多用されており、とっても見やすかったです!
だからスイスイと(まではいきませんが思っていたよりは比較的早く)読めました!
◇早送り目次◇
これを見ればこの本の内容がわかる!?各章で紹介する私たちの10の「思い込み」を簡単にご紹介します。
【1】分断本能
→先進国と途上国の間にはもう境界線はない?
【2】ネガティブ本能
→世界はどんどん悪くなっているという思い込み
【3】直線本能
→世界人口はこのまま伸び続けず100億人程度で止まる見込み
【4】恐怖本能
→恐怖と危険をごちゃ混ぜにしてませんか?
【5】過大視本能
→メディアが提示する数字はなんの指標にもならない
【6】パターン化本能
→国民性なんてない!全ては所得が決めていた?
【7】宿命本能
→これから欧米諸国を抜くであろう、アジアと…アフリカ?!
【8】単純化本能
→ステレオタイプになってない?世界はとっても複雑です
【9】犯人捜し本能
→地球温暖化は二酸化炭素排出量が多い中国やインドのせいなのか?
【10】焦り本能
→感染症拡大の予防に急いで封鎖するのは正解なのか?
【11】ファクトフルネスを実践しよう
→あなたもファクトフルネスをレッツトライ!
【どんまいすぎる】あなたも私もチンパンジー以下
問題です。(急にw)
世界中の1歳児の中でなんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
A)20% B)50% C)80%
答えはわかりますか?
この問題の正答率は平均13%、日本は最下位の6%だったそう!
ちなみにチンパンジーの正答率は33%!日本人よりかなり優秀!
しかし、「知らない」という点では私たちとチンパンジーに差はないはずなのになぜチンパンジーたちの方が正答率が高いのでしょうか?
その理由は、私たちは正しい事実を「知らない」のではなく、「勘違い」をしているからなんです。
(答えはCでした!)
年間420万人の赤ちゃんが死ぬ事実から見えてくること
1年間に420万人もの赤ちゃんが死んでいる。
あなたはこれを聞いてどう思いますか?
きっと悲しいと感じますよね。解決すべき問題だと声を上げる人もいるかもしれません。
ただしここで思考停止するなと著者は警鐘を鳴らします。
「悪い事実」と「状態が良くなっている」は両立する
ここで過去の赤ちゃんの死亡者数を見てみましょう。
2016年 420万人
2015年 440万人
〜
1950年 1,440万人
お気づきでしょうか。1950年と比べて約1000万人も死亡数は減っています!
急に420万という数字が小さく感じてしまう不思議。
かなり状況としては良くなってることがわかりますよね!
もちろん、420万人が死んでいる事実を軽く見ていいと言っているわけではありません。
我が子を亡くした親たちにこの数字を見せたところでなんの慰めにもなりません。
この本はそんなことを言いたいわけではないんです。
状態が良くなっているということは、万事オッケー⭐︎という意味ではなく、「状態が良くなっていること」と「悪いこと」は両立しているよってことなのです。
数字を単体で見るのはNG!比較と割合で見よう!
たった60年で1000万人も死亡数を減ってる!すごい!
そうですね。ですが、もう少し深掘りしてみましょう。
一体何人の赤ちゃんが生まれて何人の赤ちゃんが死んだのかを見てみます。
1950年 | 2016年 | |
出生数 | 9700万人 | 1億4100万人 |
死亡数 | 1440万人 | 420万人 |
死亡率 | 15%
→100人に15人は死んでいた |
3%
→100人に3人に減った! |
ここまでくると人類の進歩凄くないですか?それもここ60〜70年のことですよ。
この数字の裏には医療が発達し、経済が発展し、環境が整ってきたことを表しているのでしょう。
人は「恐怖の対象」ではなく「恐怖」に殺される
この本に3.11東日本大震災の時のことが記されていました。
福島の原発事故は記憶に新しいことでしょう。
この時にメディアは被爆の恐ろしさをひたすら報じて、近くの住民はみんな避難することになりましたよね。
その後、避難先で1600人が亡くなってしまったのです。
死んだ原因は「被爆」ではなく「避難生活でのストレスによる体調悪化」、すべてが高齢者でした。
これは「被曝」そのものではなく「被曝による恐怖」によって死んでしまったのです。
私たちは知らないものに対して強く拒否反応を示します。
・化学的なもの
・病原体などの得体の知れないもの
・命を脅やかす未知のもの
これらを前にすると人間は「恐怖」が生まれます。
その恐怖に突き動かされて必要のなかった行動をとってしまい、自らの手で最悪の事態を作り上げてしまうことがあります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
本書ではたくさんの思い込みや勘違いについて警鐘を鳴らしてくれました。
なぜなら、この世は私たちが勘違いしやすいようにできているから。
メディアは世界が良くなっていることよりも、たった今の悪いことを報道します。その方が視聴率が取れるからです。
情報に溢れたこんな世の中だからこそ、目の前の事実から真実を見抜くファクトフルネスな力をつける必要があると思います。
ぜひあなたも「 FACTFULNESS -ファクトフルネス-」を手にとってみてください!
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